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子供と問答しながら仕入れの日々を過ごしている三月

· わかめの大黒柱,三陸,バンザイファクトリー,漁業

2020年3月23日と24日、あと数日で誕生日になる、経営一家の子供、高橋満田颯(まんたろう・陸前高田市の中学一年)
先週に引き続き、今週も朝から大船渡市の吉浜漁協から引き取り、午後は綾里漁協さん。そして一次加工を五時すぎまで毎日手伝ってくれました。零細工場は子供の手を借りるしか無いのです。ましてコロナで大変な時にコストアップになるような事態は出来ない。満田颯(まんたろう)に聞くと中学の同級生でも家の手伝いで忙しくしている子がいるらしいのです。どんな子達と聞いたら、漁師の家の子供だと言う。
俺って漁師じゃ無いけど工場の息子だから・・と言いながら、行き来の車で寝てしまいました。力仕事は疲れます。300キロづづ積み降ろしをしたあとにカット処理までやるから夜はヘトヘト疲れます。悪いなと思いつつ打つ手が無いのも実態です。
行き来の車の中で今日は仕事のことを質問されました。
「あのさ、このワカメの部分っていくらで買っているの?」・・1キロ当たりでなんぼだよ。それって安いの高いの?。高く買っている方だよ。なんで?、だって安買いしたら育てている人達は面白く無いじゃない。でも安く買った方が会社は儲かるんじゃ無い?。それはそうだ、その通り。だったら何で高く買うの?・・良く解らない。
だからさっ、なんて言うか、少し高く買いたくなるような商品にする為に色々考えて作っているのよ。安くばかり買われたら漁師もやる気が無くなるじゃない。だから、つまり一つの商品から取れる利益が高い物だと原材料を高く買えるじゃ無い。安い物を作ると儲からないから、数で勝負するか、原価を安くするしか無いじゃ無い。少しだけ高くても良い、そう言う商品を開発しないとねーそう考えた・・
原価って、何々なの材料安いと儲かるから材料を安くすると良いんじゃ無いの?・・。いやいや人件費ってあるじゃん、作る人、包装する人、売る人、配達する人。それと工場では電気を使うし、機械も使うじゃ。その機械も永遠に使える訳じゃ無いから、6年かな、10年かなっ、それを過ぎたら新しいのを買うしか無いから、それも割り算で次の機械を買う為に原価償却って言ってな・・・お金を貯めて・・。なにそれ・・。ん・・だなっ未だ早かったな。じゃさっ、一つの商品の中に給与と、電気代とか、色々と入っているの?・・・。私は・・んだよ、そうやって粗利益を・・・。だったらさっ、うちは椿茶作っている人と、パスタ作っている人と、ワカメやっている人って、同じ人が関わっているじゃ無いどうやってその商品の原価の給与を割り振りしているの・・・。
時間で割ってさっ、今日は何時間椿茶で、何時間をワカメで・・。えっ?、じゃ働いている人は私はこの仕事に何時間、この仕事に何時間って、何かに付けているの?・・。いやいや、そんたな細かくしたら小さい工場は書類書くのが仕事で、だいたい換算する訳よっ。お父さん、おかしいなっ、そんな事しても月の給与は同じだから、見ていると椿茶が注文多く入った〜って言うと、あっちの仕事を止めて、椿茶の仕事に四人も五人も入るじゃん。
売れている商品の売上から換算するだけで良いんじゃ無い。ん・・だからさっ、直接原価で基本的には・・・。
ああああああ面倒臭い会話になって来たなっ・・ハハハハ。
なんでそんなに深く聞くのや?・・。だって借金だ、売れないとか、家で言っているから、売れる物に集中して、売れないのは止めたら良いんで無いのっ。
そう言う訳には行かないのよ、去年までは木工売れてなかったべっ、だども研究開発してて、煮物やお茶に食べさせてもらって、もう木工辞めるかなんては言いながら諦めないで、やって来たから先月も、今月も、木工で会社は給与を払えるようになっているようなもんだ、椿のお茶もそこそこ出てて。あの時、お茶売れて来たから他を辞めるべって言ったら、今のコロナになって、会社は倒産とは言わないけど・・売上が無くなってた。
じゃさあ、お父さん、どれが売れるって考えて作っていたの?。いやいや、それは解らなかった。ただ良い物を作りたい。食べ物だったら美味しいは当たり前、健康に良い物とか、色々と工夫したのよ。木工も三次元で削る技術を開発したり。
ん・・でうちの会社は儲かっているの?、儲かってないの・・・。
このワカメは売れなかったら、どうなるの?・・。捨てるのよ。それって損するじゃない。でもやって見ないと売れるか・・売れないか・・・・。
今年はどれぐらい仕入れているの、7トンかな・・。そのお金はどっから出るの?。今回は借りるのかなっ。どこから?。銀行からよっ。なんで銀行から借りるの・・・。手元に資金が無いからよ。えっでも売上から給与払っているって言ったじゃ無い。そうだよ、やっとな払えるようになってなっ安定して来た時だった。
じゃ仕入れも払えば良いじゃん。いつなにか起きた時の為にある程度は会社の預金が無いと。いつ何かって、何・・・・。
浜、浜を回りながら、車の中では、こんな話しになった。こんだけ売れたら、こんだけ儲かる。すると原価の比率は、こうか・・・だったらさ、やる気なるなあ。
工場に戻って一次処理してても、丁寧になった。これ(ワカメ)お金、仕入れだもんなっ・・って。
医療ITやっていた時より、家族に具体的に仕事を言える。触らせれる。作業させて見せれる。汗をかかせれる。
私は農家の息子だったんです。祖父母、父母、叔母のりんご園、田んぼで働いて、手伝った幼少を過ごしたのです。大人になって家族が関われない、高度と言えば高度なのかもしれないが、研究所で研究開発の仕事をしていました。
震災が来た。そして一家は陸前高田に引っ越した。そしてゼロから立ち上げをして来ました。保育園児だった子供は来月から中学二年になる。もう数学が出来ているから、社会を勉強しているから、ちょっと言えば原価の率とか、普通の会社で使う算数レベルは話しが通じる。効率と言っても解ってくれる。乾燥も電気代金の算出、灯油だったら。熱量とか、だいたい理解出来る。
浜、浜を仕入れに行きながら、まるで友達と話しているような感覚で二人で軽トラを走らせる。そして、急に仕事の話しが止まりました。
車止めて!!!・・と言われた。どうした?・・。あのさっ、あそこっ、あそこ釣れるんじゃ無いかなっ、あの岩の横さっ。どれ・・・。車を止めて行く。明後日はロッド持って引き取りのちょっと前に振って見るか・・・おおう〜やっぺっ、お父さん。
陸前高田市に移住して8年、工場をやって8年半、大船渡工場は2年になる。
なんか来て良かったなあ、今年になって、本当に思えた気がするんです。コロナで大変なのに何故かそう感じたんです。仕事をしている実感がするのです。コロナってても、何だか仕事は楽しい。疲れる、大変だ、肉体が付いて行かない。歳だ・・・でも人を沢山使う余裕は無いから自分達でするしか無い。大変だけど仕事が面白い。
コロナで子供達は学校は休み、その後には春休み、お陰で一緒にいる時間が出来た訳です。
しかし今日は頭が疲れました。質問されながら自分でも言い訳のような事や、はっきりしない事もハッキリ言わなければならなかったり。今日は疲れた・・・。
昔IBMの社訓で「考える・行動する・考える」だったそうなんですが、「行動する・考える・行動する」に変わったとコンサルタントの先生に聞かされた事がある。今日は「考える・行動する・考える」の日だった。

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